合成皮革にもPVCやPUといった種類があることはご存知でしたでしょうか。しかも種類によって特徴や機能性に違いがあるのです!そこで今回は合成皮革の種類から、メリットとデメリットをご紹介いたします。
そもそも、合成皮革とは?
合成皮革とは、布地をベースにしてその上に合成樹脂を塗り、表面層のみを天然の革に似せた人工素材のことをいいます。合成樹脂はポリ塩化ビニールやポリウレタン樹脂を使っているので、いわゆる「 ビニール製 」や「 プラスチック製 」ということになります。この樹脂を表面に塗って型押しをすることで、革のように見せているのです。
見た目は革に似ていますが、革独特の匂いや手触りまでを再現することはできません。ちなみに、合成皮革は 合皮 やフェイクレザーとも呼ばれていて、ソファや 車・バイクのシートなどに使われています。
「PVC」と「PU」とは?
PVCとPUはお察しの通り、合成皮革の種類です。合皮のソファを探していると気になるのがPVCやPUなどという表記ではないでしょうか。では、PVCとPUについてまずは言葉の意味を簡単にご説明します。
「PVC」とは? 布地の表面に塩化ビニール樹脂を塗布し、質感を天然皮革に似せた人工素材です。「ポリ塩化ビニール」を意味する “Polyvinyl Chloride” の略です。
「PU」とは? 布地の表面にポリウレタン樹脂を塗布し、質感を天然皮革に似せた人工素材です。
「ポリウレタン」を意味する “Polyurethane” の略です。
「PVC」と「PU」、どっちがいいの?
みなさんが気になっている問題はここですよね。「PVC」と「PU」、それぞれの特徴を知り、ライフスタイルやお好みの合わせてお使いいただくために、PVCとPUのメリットとデメリットのお話をいたします。
「PVC」のメリットとデメリット
PVCは比較的安価に手に入れることができ、表面はPUより硬く、ツルツルとした肌触りが特徴です。耐久性が高く汚れに強いので水や中性洗剤で汚れを拭くことができ、メンテナンスが非常に簡単です。カビやダニの発生が少なく機能性が高いので、子どものいるご家庭には最適な素材と言えるでしょう。また、加工性も高く、カラフルな色に仕上げることも可能です。
しかし、通気性や弾力性・柔軟性は低く、PUには劣ります。長時間座っていると蒸れてくる感じがあり、夏場やジメジメとした梅雨時は不快感を覚える人も多いかもしれません。また、長年の使用で表面がカチカチに固くなったり、経年劣化で表面のコーティングが割れるなど傷みやすい素材と言えます。ただそれ以上に安価に買うことができるので、満足度はそれなりに高いものとなるのではないでしょうか。
「PU」のメリットとデメリット
フェイクレザーとも呼ばれており、柔らかくもちもちとした肌触りが特徴で、本革に近い見た目と質感があります。弾力性・柔軟性が高く、やわらかいカーブがポイントのソファなどに適しています。PVCに比べると通気性があり、張り付く感じは減少します。あくまでもPVCとの比較で、本革よりは通気性はよくありません。撥水性が高くお手入れはしやすいですが、メンテナンスの基本は乾拭きです。
PVCよりは経年劣化はしにくいですが、本革に比べると耐久性は劣ります。湿度の高い場所での使用は、加水分解という水分との化学反応を起こし表面がボロボロになる可能性があります。素材自体は少し弱いかもしれませんが、その分柔軟性が高いので、座った時の荷重などを分散させることができます。本革に近い素材として、上質な合皮素材にあたると言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。PVCとPUは表面の素材が違うだけで、土台になる布に、PVCかPUを塗布した人工素材です。PUのほうが価格が高く、機能性や肌触りも上質です。
ただし、PVCにはPUにないメンテナンス性というメリットもあり、必ずしもPUのほうが良いとは言い切れません。特に小さな子どものいるご家庭では、メンテナンス性や短いスパンでの買い替えになる場合などを考えるとPVCのほうが向いているとも言えます。
素材自体の価格差もありますが、どちらが自分に向いているかが大事です。ぜひ、ご自分好みのソファの素材選びの参考にしてみてください。