みなさんはカフェやレストランでの外食時に、食事がしにくい、姿勢が安定しない…と感じたことはありませんか?その原因には、椅子と机の高さが合っていなかった可能性があります。
椅子の高さと机の高さのバランスがよくないと、座りづらさから違和感が生じ、居心地が悪くなってしまいます。今回は、より心地のいい食事の時間を過ごすための、ちょうどいいテーブルとチェアの高さを人間工学に基づいてご紹介いたします。
人間工学上の計算式
机と椅子の座面は身長から理想の高さを計算することができます。
テーブルの天板までの高さと、椅子の座面までの高さの差を「差尺」といいます。
椅子の高さ=身長×0.25-1
机の高さ=身長×0.25-1+身長×0.183-1
差尺の高さ=座高(身長×0.55)÷3+2cm
日本人の平均身長が男性で171cm、女性で158cmなので、こちらの計算式に当てはめてみると
男性171cmの場合
椅子の高さ 41.75cm
机の高さ 72.04cm
差尺の高さ 33.35cm
女性158cmの場合
椅子の高さ 38.5cm
机の高さ 66.41cm
差尺の高さ 30.96cm
このような結果になります。
既製品のサイズついて
先の項目で理想のサイズに関して触れましたが、実際には既製品のサイズは決まっていて、実は使いやすいとされている差尺は決まっています。
一般的には『差尺270~300が心地よいサイズ』とされています。
机に関しても一般的なサイズは概ね床から70cmの高さで設計されています。これはJIS規格で定められた「平均的な成人男性」にフィットしやすい高さだそうです。ただ、この規格が生まれたのは1971年です。この計算式に当てはめてみると身長約167cmの方にちょうどいいサイズになりますね。
海外製の椅子やテーブルは高さに要注意
先でも述べたように日本製の物は、基本的に日本人の体格に合わせているので、テーブルは高さ68cmから72cm。椅子は座面高40cmから42cmに設定されていることが多いです。
しかし、海外製品、とりわけ欧米でデザインされているものは、もう少し高いものが多いです。テーブル高だと74cmぐらいのもの一般的です。文化的に靴を履いた状態で椅子に座ることも関係していると思います。これに日本人の体形に合わせた椅子を組み合わせるとやはり違和感を感じる方が多いと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?心地のいい食卓を保つために椅子と机のバランスは考えたいですね。また、食事の場合、和食器は、丼鉢など高さがあるものが多いので、テーブルは低め。洋食器は、平皿など高さがないので、テーブルは高めが使いやすいともいわれています。
良く使う食器も含めて、自分にとってどのくらいの高さの机と椅子がベストなのかを知っていれば新しく購入するときの目安になりますし、いまあるものを調節するのにも便利です。
ぜひ、机と椅子を選ぶ際に参考にしてみてください。