空気が乾燥し始めたら、いよいよ加湿器の出番です。特に、健康や美容を意識している方にとっては必須アイテムと言えるものですが、正しい使い方で加湿器を動かさないと上手に加湿することはできないので注意が必要です。
今回は、加湿器をより効果的に使うポイントや、実はNGな使い方についてご紹介します。正しい置き場所や注意点を押さえ、空気の乾燥を防いでいきましょう。
加湿器はそもそも必要?
加湿器は、冷蔵庫や洗濯機といった生活に必須となる家電とは異なるため、購入しなくても問題ないのではないかとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、加湿器があるのとないのとでは生活の質は大きく変わってきます。まずは、加湿器があることでどのようなメリットが生まれるのかをご説明していきます。
乾燥は健康や美容に影響を与える
乾燥すると喉が痛くなったり、肌がガサガサしたりする方も多いのではないでしょうか。粘膜や肌は、潤っている状態でないとバリア機能が低下してしまいます。そのため、空気が乾燥していると肌トラブルが起こったり、細菌やウイルスによる感染に罹りやすくなったりするのです。
気温と湿度が下がっている時は、加湿器を活用することで体の内外を潤して健康を保てるようになります。
乾燥対策に加湿器は必要!
空気は、温度が高ければ高いほど多くの水分を取り込める性質を持っています。暖房器具の使用で室温を上げた場合、空気が内包できる水蒸気量は増えますが、空気中の水分量は増加しません。このように、空気中に含まれている水分の度合いが下がることで、空気が乾燥するという仕組みになっています。
また、室温が下がっている状態では、空気中に含むことができる水蒸気量が減少して結露が発生します。この状態で室温を上げれば先ほど説明した乾燥が発生し、上がり幅が大きければ大きいほど乾燥の度合いが強くなっていくことが分かります。
こういった形での乾燥が起こりやすい季節が、気温の低くなる秋冬なのです。乾燥は体に悪影響ですので、加湿器によってしっかりとお部屋を加湿する必要があります。
加湿器の効果的な使い方
加湿器はただ電源を入れておけば良いというものではありません。置く場所や状況によって、せっかく使っているのに実際にはあまり意味がないという場合もあります。
ここでは、お部屋ごとの加湿器の効果的な使い方を解説していきます。
基本の使い方
加湿器は基本的に部屋の真ん中あたりに置くのが良いとされています。それは、加湿器から出る水蒸気が部屋全体に広がりやすい位置だからです。
しかし、家具のレイアウトによっては、部屋の真ん中には加湿器を置くスペースが無かったり、水濡れ厳禁な家電や家具があったりする場合もあるでしょう。そのような時は、出入り口や壁際などを避けて、できるだけ空気が循環しやすい位置に加湿器を設置するのがおすすめです。
リビング(広い部屋)での使い方
リビングや広い部屋で加湿器を使用する場合、部屋全体に加湿した空気を循環させるのが大変になってきます。そこで活用できるのがエアコンの風です。エアコンの対角線上に加湿器を置くと、エアコンの風によって水蒸気が部屋中に広がり、効率よく加湿できます。
この時、エアコンの風が加湿器本体に直接当たらないように注意してください。加湿器が出した湿った空気をエアコンの風に乗せて届けるイメージです。
寝室での使い方
寝室にはベッドや布団など、湿気をため込みたくないものが少なくありません。
また、肌が水蒸気に触れていると、肌の水分や体温を奪ってしまう恐れもあるため、加湿器はできるだけ寝具から離れた位置に置きましょう。
子ども部屋での使い方
子ども部屋に加湿器を置く場合は、お子さまが怪我をしないように配慮することが何よりも大切です。できるだけ小さなお子さまの手の届かないところに置くと安心できます。
また、加湿器にぶつかって倒してしまった時に自動電源オフ機能が作動するタイプや、高温のスチームが出ないタイプを選ぶと良いでしょう。勉強や遊びを邪魔しないよう、静音の加湿器を選ぶのもおすすめです。
加湿器を置いてはいけない場所
加湿器は水分を放出するという機能を持っている以上、置くことを避けた方が良い場所がいくつかあります。置き方によっては他の家具・家電やお部屋そのものを傷つけてしまう可能性があるため、そういったリスクがある場所についてご説明していきます。
電化製品の近く
加湿器からは常に水蒸気が出ています。そのため、水濡れすると故障してしまう電化製品まわりに置くのは避けてください。
部屋が狭くて加湿器を置く場所が限られている場合は、卓上タイプやコンパクトタイプを使用し、自分がいる付近だけを加湿するのも一つの方法です。
木製家具や紙類の近く
木製家具や紙類は湿気にとても弱いです。木製家具は腐食したりカビが発生したりするとお手入れが難しく、買い替えが必要になる可能性がありますので、特に注意してください。
また、紙類は湿気によってふやけてしまうため、大切な書類や資料などは加湿器から離れた場所に保管しましょう。
壁際や窓の近く
壁際は空気の流れが悪く、その周辺の空気だけを加湿してしまう恐れがあります。
また、窓の近くは結露しやすく、外気の影響で温度が低くなりがちなので、加湿器の効果が十分に発揮されない可能性が高いです。加湿器は壁際や窓の近くは避けて置くようにしてください。
加湿器の蒸気が直接肌にあたる場所
「加湿器をスチーマーのように使ったら、空気も肌も潤って一石二鳥なのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、この使い方は肌にとって逆効果です。
一見、保湿効果が得られるように思われますが、加湿器から出た水蒸気が肌についても吸収はされず、肌の奥が潤うことはありません。むしろ、肌表面に付着した水分が蒸発し、肌の潤いや油分を奪ってしまいます。そのため、加湿器は肌に直接当たらない位置に置くようにしてください。
加湿器が効かない時のチェックリスト
「加湿器を置いているのに、あまり部屋が潤っている感じがしない…」と思うことがあるかもしれません。
そういった場合は、加湿器の置き方や性能そのものに問題がある可能性があります。以下のチェックリストを参考にして、一度使い方を見直してみてください。
出入り口や換気扇の近くに置いていないか
加湿器を置く場所は、人が出入りするドア付近や、空気の入れ替えが激しい換気扇の近くを避けましょう。
加湿器が出す水蒸気を部屋中に循環させることで室内の湿度が保たれます。せっかく加湿した空気が室外に逃げてしまっては意味がありません。
エアコンの風が直接当たっていないか
加湿器の出した空気をエアコンの風に乗せて部屋全体に届けるというのは、加湿器の基本的な使い方です。しかしこの時、本体に直接エアコンの風を当ててはいけません。
湿度センサーが搭載されている加湿器の場合、風が当たることで誤作動してしまうことがあります。また、故障の原因にもつながるため、エアコンの風が直接当たる位置に置かないように気を付けてください。
加湿器の加湿能力と部屋の広さは合っているか
加湿器にはそれぞれ対応できる部屋の広さ(適用畳数や対応畳数と呼ばれています)が設定されています。これより広い部屋に設置しても、加湿能力が部屋の大きさに合っていないため、十分に効果が発揮できません。
逆に、想定されている広さよりも狭い部屋に設置すると、加湿のしすぎで結露や床濡れが発生する可能性があります。ちょうどよい湿度を保つには、使う部屋の広さに合わせて加湿器を選ぶことが大切です。
加湿器を使う時の注意点
加湿器は稼働時間が長く、また、空気という日常的に体内に取り込み続けるものに影響を与える家電です。そのため、正しく使わなければ、お部屋や暮らしている人の体に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
ここでは、加湿器を使う際に特に注意しなければならない点を解説していきます。
タンクの水は毎日交換
タンクの水を替えずに使用すると、タンク内に菌やカビが繁殖してしまいます。タンクが汚れた状態の加湿器を動かせば、菌やカビの含まれた水蒸気が放出されることになり、それを吸い続けることで体調を崩してしまう危険性すらあります。
タンク内に水が残っている場合でも、翌日には新しい水に取り替えて、常に清潔を保つようにしましょう。また、加湿器に使用する水は、塩素処理された水道水以外を使ってはいけません。
低い位置に置くと床濡れの原因に
床に近い位置に加湿器を置くと、水蒸気が下に溜まって床濡れを起こしてしまいます。特に、ミストの粒が大きい超音波式やハイブリッド式の加湿器は比較的床濡れを起こしやすいため、できるだけ高い位置に置くのが良いでしょう。また、湿度センサーが搭載されている加湿器の場合は、センサーが正常に働かなくなる恐れもあるため、床に置くのは避けてください。
目安としては、床から30cm以上高い位置に置くのがおすすめです。加湿器を置けそうなところが見つからない時は、テーブルの上に置ける卓上タイプか、背の高いものやノズルの位置を伸ばせるモデルを使用してみてください。
加湿しすぎるとカビの温床に
人が快適に過ごせる湿度は40~60%と言われています。40%以下になると菌やウイルスが活発になり、60%以上になると結露やカビ、ダニが発生しやすいため、ちょうどいい加湿量を保つのは非常に重要です。
自分で湿度を調整するのが難しいようなら、加湿量の自動調整機能が付いたものを選ぶと良いでしょう。
寝る時は電源を切る
加湿器は日中つけっぱなしでも問題ないのですが、就寝時は電源を切ることをおすすめします。その理由は、加湿のしすぎを防ぐためです。暖房を使用せずに寝る場合、室温に対して湿度が上がりすぎてしまい、結露やカビ、ダニが発生するリスクが高まってしまいます。
寝ている間に喉や肌が乾燥するのを解決したい方は、タイマーや湿度の自動調節機能が付いた加湿器を使用しましょう。また、空気が循環しやすい位置に加湿器を置き、寝具や窓、肌に直接水蒸気が当たらないようにすることも大切です。
石油ストーブを使う時は加湿器不要
実は、灯油などの化石燃料は、燃焼時に二酸化炭素と水を発生させています。特に灯油の場合は、燃焼させた量と同じ量の水が発生するため、空気はある程度加湿されているのです。
そして、ストーブの使用で室温が上がると空気中に含むことができる水分量が増えるため、湿度が上がりすぎることはありません。石油ストーブを使っていても加湿量が足りていないと感じた時は、必要に応じて加湿器を使用すると良いでしょう。
おすすめの加湿器7選
ここからは「加湿器の重要さは分かったけど、実際にどういう加湿器を置けばいいのか分からない…」という方に、おすすめの加湿器をご紹介していきます。
加湿器は主に加湿方式で分類されています。ここではその中でも、スチーム式・超音波式・ハイブリッド式の加湿器を取り上げたいと思います。
スチーム式(加熱式)
スチーム式加湿器は、広い空間を短時間で加湿することができます。ヒーターを使って高温の水蒸気を放出するので、寒い時期には特に活躍します。また、雑菌が繁殖しにくく衛生的なところも魅力的です。
3L ヒーター除菌 スチーム式加湿器【商品番号:lck02】
高い加湿力をお求めなら、スチーム式加湿器がおすすめです。水を沸騰させて蒸気を外部へ放出する仕組みですので、高い湿度で空間の潤いを維持します。
また、加熱した水蒸気はお部屋の温度を下げることもなく、乾燥する寒い冬の時期には特に便利なアイテムです。雑菌も繁殖しにくいので、日々のお手入れも簡単に済ませることができます。
超音波式
超音波式加湿器は、ヒーターやファンを使わないので、消費電力が低く比較的電気代を安く抑えることができます。本体価格もお手頃になっており、気軽に使えるタイプの加湿器です。
6.5L 上部給水式 超音波加湿器 ステンレス振動子モデル【商品番号:htjs011-j】
スリムなタワー型の加湿器をお探しならこちらの商品がおすすめです。横幅が約18cmで場所を取らず、狭いスペースでも設置することが可能です。
高い吹き出し口を活かして、通常の加湿器よりも効率的かつ広範囲に加湿ができます。本体の高さはありますが、横幅がスリムなので、お部屋に置いていても圧迫感を感じることがありません。
2L 上部給水式 電解水生成機能付き 超音波加湿器【商品番号:kr003j】
こちらは加湿と除菌を一緒に行うことができる商品です。ウイルス除菌や消臭に効果のある電解水を自動生成する機能がついています。電解水は水道水から生成でき、特別な装置などを買う必要はありません。
清潔なミストで加湿を行うので、小さなお子様がいるご家庭でも安心してご利用いただけます。また、就寝中や作業中でも快適に過ごせる静音設計にもなっています。
1.6L 超音波加湿器 上部給水式【商品番号:cz002】
こちらは小さなお子様やペットがいるご家庭におすすめの商品です。超音波の振動によって、水を微細なミストに変えて放出する超音波式の加湿器なので、ミストが熱くならず、やけどをする心配がありません。
また、ファンやヒーターを使わない構造になっており、静音性に優れているほか、消費電力が小さく電気代が安いというメリットもあります。
ハイブリッド式
ハイブリッド式加湿器は、気化式や超音波式の加湿方法に加熱機能を加えた加湿器です。空間全体をムラなく効率的に加湿したい方に向いています。また、高機能なモデルが多いのもハイブリッド式の特徴です。
3L 2WAY ハイブリッド加湿器 高さ調整可能【商品番号:htjs04w】
こちらは高さを調整できる2WAYタイプの商品です。トップカバーが着脱できるので、ハイタイプとロータイプを切り替えて加湿することができます。
お部屋全体をスピーディーに加湿したい時にはハイタイプ、場所を選ばずコンパクトに加湿したい時はロータイプといったように、生活シーンに合わせた使い方ができてとても便利です。
AND・DECO ハイブリッド加湿器 ステンレス振動子モデル【商品番号:htjs07-j】
こちらの商品は、お部屋を効率よく加湿できるアイテムです。超音波の振動によってミストを放出する超音波式と、熱で気化する加熱式の2つの機能を取り入れたハイブリッド式で、加熱した水でのパワフル加湿と超音波式だけの省エネ加湿を切り替えられます。
また、湿度設定ボタンを押せば、センサーが湿度を感知して自動でお部屋の湿度を調整してくれます。
4.5L UV除菌 ハイブリッド式 上部給水型 加湿器【商品番号:htjs-014】
UV除菌をして加湿するハイブリッド式加湿器です。タンク内の水に除菌効果の高いUVライトを照射して放出することで、衛生的なミストで加湿することができます。
ヒーター機能を使えば加湿力をさらにアップすることも可能です。また、リモコンでの遠隔操作に対応しており、わざわざ加湿器の場所に行かなくても、くつろいだまま機能の調整が可能です。
まとめ
空気が乾燥する時期は、お肌や体のコンディションも崩れがちです。冬場はいつも喉を痛めているという方も居るかもしれません。そこに加湿器を導入すれば、お部屋をより過ごしやすい環境に変えることができます。
加湿器の中には、置くスペースのほとんど必要ないものや、お手入れの頻度が少なくても問題ないもの等、様々なニーズに応えたモデルがあります。部屋の乾燥と、それに伴う不調にお悩みの方は、ぜひ加湿器のご購入を検討してみてください。