羽毛布団と言えば、高い寝具というイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。しかし、羽毛布団には同時にたくさんの魅力があります。もしかすると、布団を羽毛布団に変えることで、今までよりぐっすり眠れるようになるかもしれません。
今回は、羽毛布団はどのような布団を指すのかといった基本の部分から、羽根布団との違いや、羽毛布団の持つ魅力、お手入れ方法についても解説します。
羽毛布団はなぜ高いのか。何が良いのか。しっかり理解して納得されたならば、『ちょっと使ってみたいかも・・・。』と思えてくるかもしれませんよ。
目次
羽毛布団ってどんなもの?
羽毛布団に使われる羽毛は、主にガチョウやアヒルなどの水鳥の羽が使われています。
水鳥の胸あたりには、冷たい水の中でも体温を失わない工夫として、ダウンと呼ばれる羽毛があり、それが空気を包み込んで暖かさをキープしてくれるのです。
また、水鳥のフェザーは羽自体が独特のカーブの形状をしていることから、特有の弾力性を生み出します。羽毛布団のふかふかした触り心地はこれによるものです。
羽毛布団の羽毛
羽根布団と羽毛布団の違いをご存知ですか?一文字違いで、”鳥の羽が入った布団”という事には変わりありませんが、『羽根』と『羽毛』とではグレードが違ってきます。
羽毛布団で使用される羽の種類について触れていきましょう。
羽根布団と羽毛布団の違い
羽毛布団はフェザーと呼ばれる羽とダウンと呼ばれる羽を混合して作られます。
羽根布団・・・フェザーの割合が多く、ダウンの割合が50%以下の物。
羽毛布団・・・ダウンの割合が多く、フェザーが50%以下の物。
一般的に、ダウンの割合が多いものの方が保温性も高く高級品といえますが、ダウン100%では、『軽すぎる』『弾力性がなく、ペタンとつぶれてしまう』等といった問題も出てきますので、そこはバランスが大切です。
ダウンとフェザーの違い
ダウンの特徴
上記でも少し触れましたが、水鳥の胸部には温かさを保つためのダウンというタンポポの綿毛のような羽毛があります。水鳥にとっての肌着といってもよいですね。1羽からわずかしか取れず、1枚の羽毛布団を作るためには、約150羽もの水鳥が必要になります。羽毛布団が高価となってしまうのにも納得がいきますね。
フェザーの特徴
水鳥にとってダウンが肌着ならば、フェザーは上着の役割を果たします。『羽根』と言われて、まず思い浮かべるのがこのフェザーの形でしょう。一本の羽軸(うじく)から羽枝(うし)と呼ばれる柔らかな毛がたくさん生えた羽根です。この羽軸の柔らかな曲線と弾力が空気の層を作り、手で押しても元の形状に戻るような、ふっくらとした羽毛布団にしあげます。羽毛布団で使われるのは、主にお腹あたりのスモールフェザーで、それ以外のものは枕や敷布団に使われます。
ダックとグースの違い
羽毛布団には『ダック(カモ)※主にアヒル』と『グース(ガチョウ)』の羽毛が使用されます。
一部を除いて、一般的にはグースの方が高級品とされています。
ちなみに、アヒルはカモの一種で、家鴨とも呼ばれます。品種によって形状や色も様々ですが、呼び名からわかるように、家畜として飼いならされたカモがアヒルです。家鴨と区別をするため、野生の鴨はワイルドダックとも呼ばれています。
グースのとダックの羽毛の品質を比較すると・・・
・雑食性のダックに対して、グースは草食性でにおいが少ない。
・主に食用として繁殖させるダックの羽は副産物であり、若いうちに加工してしまう事が多い為、ダウンが育ち切らない。比べてグースはヨーロッパを中心に、ダウンを取る為に時間をかけて飼育されている。
・体格もダウンも大きなグースの羽毛の方が保温性に優れている。
グースの中でも繁殖の為に冬を越したマザーグースは、通常のグースと比べてもダウンが大きくなりますので、更に高価な品として扱われます。
最高級品と言われるアイダーダック
上記では、グースの方がダックより優れていると記載しましたが、極寒の大自然に生息する『アイダーダック』の羽毛は、グースを上回る最高級品と謳われます。厳しい寒さから身を守る為に特化したその羽毛の保温性と、ふわふわした弾力性がその所以。とても高額なので、簡単に手を出せるものではありませんが、金銭的に余裕さえあれば一度は手にしてみたいものですね。
羽毛布団の魅力って?
軽くて暖かい
軽いのにふんわりとしたボリュームを持ち、冬は暖かさを逃がしません。
快適な睡眠にはこの軽さというのも重要で、重い布団だと寝返りも打ちにくいですし、最悪血流を止める原因にもなってしまいます。
いつもでもさわやか
人は寝ている間にコップ1杯分の汗をかくと言われていますね。羽毛掛布団は吸湿・放湿性に優れており、快適な睡眠をとることができます。
しなやかにフィット
体のラインに沿ってなじみやすく、首や肩の周りの隙間も最小限に抑えることにつながります。
よって、熱が逃げにくくなるのはもちろんのこと、肩を冷やすリスクが減るので冷えによる肩こりにも効果が期待できますね。
お手入れが簡単
布性の布団のように頻繁に天日干しする必要がありません。軽いので、収納時には上げ下ろしも楽ですね。
ただ、お手入れの仕方には特徴があり、注意が必要です。下記で改めてご紹介いたします。
丈夫で長持ち
日頃のケアできちんとお手入れをしていれば、30年近くも使い続けることができます。
側生地の汚れや傷みがひどい場合は、生地だけを交換して、中の羽毛を再利用することだって可能なんです。
羽毛布団のお手入れ方法
上記でお手入れが簡単とご案内しましたが、天然素材ならではの注意点もありますので、必ずよく理解した上で扱いましょう。
日ごろのお手入れ
〇生地の汚れや痛みを防ぐ為に布団カバーを使用し、カバーの洗濯はこまめに行いましょう。
〇羽毛布団自体は吸湿・放湿性に優れているので、お部屋に広げておくだけで問題ありません。天日干しは不要です。
〇天然素材はデリケートですので、干す場合は、カバーを付けたまま日陰で1時間程度にとどめておきましょう。また、埃を落とす為にパンパンと叩くと、羽毛が傷んでしまいます。埃の除去は掃除機かコロコロで行いましょう。
〇布団にへたりを感じたら、手で揉んでほぐしましょう。新たに空気を取り込み、ふんわりとした弾力がよみがえります。
布団が濡れてしまったら
羽毛布団にとって水は天敵!水やジュースを誤ってこぼしてしまった際は、水分をふき取り、ドライヤーや布団乾燥機でしっかりと乾燥させましょう。
濡れたまま放置すると臭いが残ったり、フェザーが固まってふくらみがなくなったり、フェザー自体が腐ってしまう事がありますので、徹底的に乾かす必要があります。
ジュースなどのべたつきを落とす為に水洗いをする際は、品質表示にも注意してください。
水洗いが可能な場合でも、天然素材ですので、油分を必要以上に落としてしまう洗濯洗剤ではなく、ヘアシャンプー等を使うことをお勧めします。
個人の手に負えない場合は、思い切って専門業者にクリーニングとして出してしまった方がいいかもしれません。
その他注意点
〇小さな針穴からでも簡単に羽毛が出てきてしまいます。針金や細いピンなどで側生地を気づ付けてしまわないよう注意してください。
〇収納する際は、しっかり乾燥をさせます。また、通気性の無いビニール製の収納袋や圧縮袋は避け、そのままもしくは通気性の良い布に包んで収納します。
最後に
羽毛布団についてご理解を深めていただくことはできましたでしょうか。
上手く寝付けない。寝ても疲れが取れない方は、もしかしたらお布団を変えることでお悩みを解消させることが出来るかもしれません。
モダンデコでは品質にこだわり、自信を持ってお出しできる羽毛布団を販売致しております!
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