扇風機のカタログを見ていて「AC」や「DC」という表記を目にしたことはありませんか?それぞれの違いや見分け方を知ると、用途に合った扇風機を選びやすくなるのです。
AC(オルタネート・カレント)とDC(ダイレクト・カレント)とはモーターの種類を指す言葉で、扇風機の性能やコストパフォーマンスに大きな影響を与えるとても大切な基準です。
この記事では、ACとDCは具体的にどう異なるのかといった点や、それぞれのメリット・デメリットなどを解説します。
目次
ACモーター扇風機とDCモーター扇風機の違い
扇風機のモーターには、主に2つのタイプがあります。1つがAC、もう1つがDCです。この2つの違いは電流の流れ方にあります。
ACは日本語では交流と呼ばれており、電圧が一定の周期でプラスとマイナスに変わり、それに伴って電流の流れが変化する電気の流れ方です。それに対してDCは直流と訳され、電圧が一定のまま変化せず、電流の流れも一方通行になっています。電流の流れ方が異なることで、電気代や運転音、性能などにも違いが生まれるのです。
ACモーター扇風機とDCモーター扇風機の違いを比較した表がこちらです。
【比較表】ACモーターとDCモーターの違い
項目 | ACモーター | DCモーター |
電流の流れ方 | 交流 | 直流 |
消費電力・電気代 | 高い | 安い |
本体の価格 | 安い | 高い |
機能(風量の調節段階、タイマーなど) | 少ない | 充実している |
運転音 | 大きい | 小さい |
モーターの種類によって性能が大きく異なることが分かります。
続いてACモーター扇風機とDCモーター扇風機それぞれのメリット・デメリットを解説していきます。ご自身の条件にあった扇風機を選ぶためにも、ぜひ参考にしてみてください。
ACモーター扇風機のメリット・デメリット
実際に、ACモーター扇風機とDCモーター扇風機はどのように異なるのでしょうか。
まずはACモーター扇風機について解説します。
ACモーター扇風機は、交流の電源で羽根を動作させる仕組みになっています。構造が簡単ですので、このタイプの扇風機は昔から作られてきました。
ほとんどが3段階の風量調節機能を搭載しており、消費電力や運転音は大きい傾向にあります。扇風機の風の強さにこだわりがない方や、手早く涼みたい方に向いているタイプの扇風機です。
メリット
ACモーター扇風機を使用するメリットは、主に2つあります。
1つは、購入価格が他のタイプの扇風機・送風機よりも安いという点です。サイズやカラー、メーカーなどにもよりますが、一般的に2,000~7,000円ほどで購入できるため、手頃な価格の扇風機をお探しの方におすすめです。
もう1つのメリットは、操作性のシンプルさにあります。扇風機本体には電源ボタン、風量調節ボタンがついている程度なので、家電の操作が覚えられない方や苦手な方でも簡単に操作できます。
デメリット
ACモーター扇風機のデメリットとしては、風量の調節段階が少なく、細かなニーズに合わせられない点があります。
ほとんどのACモーター扇風機では風量が弱・中・強の3段階しかないため、睡眠時に使う場合などは、弱に設定していても風が強いと感じてしまう場合があります。
また、ACモーターの扇風機は運転音が大きく、作業中など集中したいタイミングでも音が気になってしまう可能性もあります。特に眠る時に扇風機を使用する方は、ACモーターの扇風機は避けた方が良いかもしれません。
DCモーター扇風機のメリット・デメリット
次に、DCモーター扇風機について解説していきます。
DCモーター扇風機は、直流の電流によって羽根を動作させるものです。モーターの回転数を制御できるため、風量を微弱な風から強風まで幅広く設定可能です。
また、ACモーター扇風機と比べて消費電力が小さいため、こちらのタイプは節約中の方にもおすすめです。DCモーター扇風機の中には3D首振り機能搭載の商品もあり、節電できるサーキュレーターとして使用する方も増えています。
メリット
DCモーター扇風機の最大のメリットは、細かな風量調節と電気代の節約が可能な点です。ほんの少し風を感じたい方から、お部屋全体を涼しく快適にしたい方まで使えます。
また、洗濯物を室内干しする時や暖房効果を高めたい時にサーキュレーターとしても代用できるため、一年を通じて活躍してくれます。
消費電力はACモーターの半分以下であることが多く、電気代がかさみがちな夏場には嬉しいポイントです。また、運転音が静かなので、テレビの音を遮ったり、眠る時に気になってしまったりといった心配もありません。
デメリット
DCモーター扇風機は機能性が高く、かゆいところに手が届く商品が多いと言えます。しかし、その分購入価格が高く、1万円以上のアイテムも少なくありません。
ただ、DCモーターの扇風機は消費電力が少なく、電気代もかからないため、長く使い続ける場合は結果的にお得になっていきます。
また、単に涼しさを感じるために使いたいという方や、モーターの駆動音が気にならない方には機能が多すぎる点もあります。「せっかく買ったのに機能を使いこなせていない…」というのはとても勿体ないですので、本当に必要な機能が搭載されているかどうかを見極めて選びましょう。
扇風機を買うならDCモーターがおすすめ
購入価格が安く、消費電力が大きいACモーター扇風機にするか、購入価格が高く、消費電力が小さいDCモーター扇風機にするか、迷ってしまう方は少なくありません。
どちらにするかなかなか決められないという方には、DCモーター扇風機がおすすめです。
その理由は、やはり出来ることの多さにあります。ACモーター扇風機は必要最低限の機能しかついておらず、特に風量は大まかにしか調整できません。例えば、自宅での仕事中に風を送りたくても、風量が強くて書類が飛んでしまうといったトラブルが起こってしまいます。
それに対して、DCモーター扇風機はシーンや場所を問わず、必要な風量に調節できるため、使用中のストレスがほとんど起こりません。涼しい風を浴びる以外の用途で使いたい、長く使用したいと考えているなら、DCモーター扇風機の方が満足できると言えるでしょう。
DCモーター扇風機を選ぶ時のポイント
DCモーターの扇風機は多機能なのが特徴です。その分、比較検討できる部分が多く、どの商品を選べば良いのか迷うこともあるでしょう。
ここでは、DCモーターを選ぶ時にチェックしておきたい3つのポイントについて解説していきます。
1.形状やデザイン性
お部屋全体に風を送ることができる扇風機はサイズが大きい傾向にあります。扇風機の大きさによっては部屋のスペースを取ってしまい、日々の生活で邪魔になってしまう可能性があります。また、インテリアにこだわりたい方の中には、部屋から浮いたデザインの扇風機を置きたくない方もいらっしゃるでしょう。
一年を通して扇風機を使用したいと考えている方は特に、コンパクトに置けるように設計された商品やリモコンを収納する場所があるもの、インテリアに馴染むようなデザインといった観点で選ぶことをおすすめします。
2.風量の調節機能
扇風機の風量によって感じる快適さは大きく変わってきます。
DCモーター扇風機はACモーター扇風機に比べて幅広い段階調節が可能になっていますが、商品によってどれくらい細かく調節できるかは異なります。例えば、9段階と24段階の風量調節ができる扇風機を比較すると、その差がよく分かるでしょう。
自分の体調、その日の気温や湿度、使用したいシーンによって求められる風量は異なります。風量調節の段階が多ければちょうどいい風量を探しやすくなりますが、それだけ本体の値段も高くなります。自分がどれくらい細かく風量を調整したいタイプかを見極めた上で商品を検討しましょう。
3.送風以外の機能性
DCモーター扇風機には、3D首振り機能やLEDデジタルパネル、パネル調光機能、室温表示機能、高さ調節機能、スイング機能など、便利な機能が搭載されているものがあります。
機能が多ければ多いほど便利にはなりますが、しかし、多くの機能を搭載している扇風機はそれだけ価格が高くなってしまいます。扇風機を購入する前に、どんな機能が欲しいのか、予算はどれくらいなのかをよく考えておくと、候補を絞ることができ、より選びやすくなります。
DCモーター扇風機のおすすめ8選
DCモーター扇風機の選び方を解説しましたが、実際にはどのような商品があるのでしょうか。
ここでは、初めてDCモーターの扇風機を選ぶ方にもおすすめできるアイテムを紹介します。それぞれどういった特徴があるのかも解説しますので、どんな機能が欲しいのかを考える際の参考にしてください。
7枚羽根 DCスウィングファン【商品番号:fah01】
こちらの扇風機は無駄のないシンプルなデザインが魅力的です。カラーはどんなインテリアにも合うホワイトとグレーの2色展開で、マットな質感と、触れるだけで操作可能なLEDデジタルパネルがとてもおしゃれな商品です。
リモコンで離れていても操作ができ、更に自動電源オフ機能、室温表示機能などが搭載されているため、デザイン性も機能性も追求したい方におすすめの扇風機となっています。
リモコン付 DCリビングファン【商品番号:lf001】
こちらの扇風機は、シンプルでスタイリッシュなデザインと、ジョグダイヤルでの風量調整が特徴的なアイテムです。
ジョグダイヤルは指で触れてくるくると回すだけで簡単に風量を変えられます。風量調節はなんと24段階になっており、シーンごとに最適な風を送ることができます。カラーはクールなホワイト×ブラックと、ベーシックなホワイトの2色です。
リモコン付 3D首振りDCリビングファン【商品番号:nym01】
こちらの扇風機は、3D立体首振り機能が搭載されたアイテムです。お部屋全体に効率よく風を送りたい時に活躍します。風量調節は26段階あり、ワークスペースやキッチン、寝室などのシチュエーションごとに欲しい強さの風を送ることが可能です。
また、スタイリッシュなLEDデジタルパネルが搭載されており、直感的に操作することができます。カラー展開はホワイト、ミストグレー、グレーの3つで、グレーの濃さが選べるのがデザインにこだわりたい方にとってもおすすめのポイントです。
3D首振り DCコードレスファン【商品番号:fah02】
こちらはコードレスにして持ち運ぶことも出来る扇風機です。9枚もの羽根と高性能なDCモーターを組み合わせることで、柔らかい感触の風を生み出しています。
また、左右と上下の首振りを組み合わせることで自由に送風できるので、風が直接肌に当たるのが苦手な方や、空間全体の換気にも扇風機を使いたい方にもおすすめの商品になっています。
7枚羽根 DCリビングファン【商品番号:htlf01】
こちらの扇風機は、程よい風量を迷わず選べる、9段階風量調節機能が搭載されています。流線形の7枚羽根によって高い送風効率を実現しており、シンプルかつ手頃な価格での購入を検討している方、3段階風量調節だと満足できない方におすすめです。
また、操作パネルはボタン式で、操作している感覚がしっかり感じられるため、タッチパネルの操作が苦手な方にも使いやすくなっています。
360°首振り扇風機 8枚羽根【商品番号:yy01】
こちらは、より効率良く送風できるように計算して設計された羽根が特徴的な扇風機です。360°首を回転させる機能が付いており、空間全体へ立体的な風を送ることができます。
搭載されているDCモーターによってパワフルな風を起こせますので、エアコンの風を空間全体に行き渡らせるといった使い方にもおすすめです。
7枚羽根 DCリビングファン【商品番号:gf-dc321fr】
こちらの扇風機は、ホワイトにゴールドのアクセントカラーが際立つおしゃれなデザインが特徴的です。7枚羽根はクリアカラーで涼しげな印象を受けるため、特に夏場に使いたいアイテムになっています。
風量調節は9段階で、24時間無操作での自動電源オフ機能やパネル調光などの便利な機能も搭載されています。本当に欲しい機能だけを厳選して作られた扇風機で、お手頃価格で購入できる点でも人気となっています。
2WAYマルチサーキュレーター【商品番号:hj001】
こちらの扇風機には、羽根を逆回転させることで背面に送風できる機能が搭載されています。3分ごとに羽根の回転を変える循環運転モードも付いており、扇風機としてはもちろん、サーキュレーターとしても季節を問わず活躍してくれるアイテムになっています。
DCモーターに送風効率を上げるブーメラン型の羽根が組み合わされており、パワフルな風を届けてくれます。
まとめ
この記事では、ACモーターとDCモーターの扇風機がそれぞれどう違うのか、どういった場合におすすめかを解説してきました。
ACモーターの扇風機はお手頃な価格が特徴的で、DCモーターの扇風機は細かな風量調節を始めとした機能性が一番の魅力です。
一台で扇風機としてだけでなくサーキュレーターとしても使いたい方や、モーター音や風量の強さ、風の柔らかさといった点が気になる方は、DCモーターの扇風機を選ぶのをおすすめします。