寒さが増すごとに気になる湿度の低下は、加湿器での対策が効果的です。しかし、使い方次第では効果を感じられない方も多いのではないでしょうか。加湿器を正しく使うことで、お部屋を効率良く潤すことができます。
ここでは、加湿器に期待できる効果や加湿方式ごとのメリット・デメリット、効果的な使用方法などについて解説します。おすすめの加湿器もご紹介しているので、加湿器選びの参考にしてみてください。
加湿器に期待できる効果
冬になり、空気が乾燥し始めると活躍するのが加湿器です。乾燥した空気に水蒸気を含ませ、潤いのある空気に変えてくれるのが特徴です。しかし中には、加湿することでどんな効果があるのかわからないまま何となく加湿器を使用している、という方も少なくありません。
ここでは、加湿器に期待できる効果を5つご紹介します。どれか1つでも気になる項目があれば、ぜひ加湿器を活用してみてください。
風邪やインフルエンザを予防
寒い季節になると風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
実は、湿度が40%未満になるとウイルスが活発化するため、空気が乾燥しているとそういった病気になりやすくなってしまうのです。また、人間の体は湿度が低くなると防御機能も低下し、活発化したウイルスが体に侵入しやすい状態になります。
そのため、加湿器によって湿度40%以上を保つことが感染対策に必要なのです。
体感温度が上がり節電に
どれだけ室温を上げても寒く感じる場合は、湿度が低いのかもしれません。体感温度には実際の室温や気温だけでなく、湿度が関係していると言われています。気温が低くても湿度が高いと、蒸して暑く感じることがあるのはそのためです。
そのため、暖房の温度設定を低くしても湿度を50~60%くらいに保ってさえいれば、通常よりも暖かく感じられます。冬の節電や節約を目指しているなら、ぜひ加湿器を併用してください。
ドライアイ対策
涙の量が少なかったり、質が低下したりすることで目の潤いを保てなくなる状態を「ドライアイ」と言います。パソコンやスマホなどを長時間見ていたり、コンタクトレンズを着用していたりすることが原因と言われていますが、空気の乾燥も原因の1つです。
目薬を差して潤いを保ったり、目を酷使しないように気をつけたりすることも大切ではありますが、それと同時に室内の湿度にも気を配りたいところです。
目が乾燥していると感じたら、湿度が下がっている可能性があるので、加湿してみましょう。
お肌や髪のトラブルを予防
湿度が低いと、お肌や髪に含まれている水分が空気中に放出され、乾燥してしまいます。お肌も髪も潤いがなくなるとダメージを受け、肌トラブルや髪のパサつきなどのトラブルにつながるため、注意が必要です。
特にお肌の乾燥は悪化すると湿疹などの症状が出てきて、スキンケアや保湿程度では治らなくなることもあります。
毎日のスキンケアやヘアケアも大切ですが、空気の加湿による予防も行い、美しいお肌と髪を保ちましょう。
静電気の発生を抑制
空気が乾燥していると静電気が起きやすくなり、ドアノブに触れた時やマフラーを外す時にパチパチとした痛みや不快感が生じてしまいます。
湿度が高い季節には静電気が起きにくいですが、それは帯電しても空気中の水分を通して少しずつ放電しているからです。逆に、湿度が低いと放電できずに帯電し続け、触れた時に静電気が起きます。つまり、加湿さえしていれば静電気の発生を防ぐことができるのです。
このように、加湿器を使用することでさまざまな効果が期待できます。健康や美容、快適な生活をキープするためにも、こまめに湿度をチェックし、必要に応じて加湿してみてください。
加湿方式別の効果とメリット・デメリット
加湿器の種類は大きく分けて4つに分類され、4つの違いは加湿方式にあります。それぞれメリットやデメリットがあり、使用する場所や時間、家族構成などによって最適な加湿方式が異なります。
加湿器選びの際は、自分に合う加湿方式かどうかチェックしてから購入することが大切です。ここでは、加湿方式別の効果やメリット・デメリットについて解説します。
加湿方式が違っても効果は変わらない
加湿方式は4種類ありますが、結果的に空気が加湿されることに変わりはありません。そのため、期待できる効果も加湿方式とは関係なく、どの加湿器を使っても健康や美容に良い影響を与えてくれます。
ただし、加湿方式によって、加湿器のスイッチを入れてから加湿され始めるまでの時間や加湿量、ミストの性質などは違ってきます。
空気を加湿するという効果は変わらなくても、加湿効率などは異なるため、自分が加湿器に求める性能がどんなものなのかをよく考え、それに合った加湿方式の加湿器を購入するのがおすすめです。
気化式加湿器
気化式は水を含んだフィルターに風を当てて、水を気化させることで加湿するタイプです。4つの加湿器の中では、本体費用や電気代が最も安く済むことで知られています。
音が比較的静かであり、熱を使わず安全であることから、小さなお子さまやペットがいるご家庭に人気です。室温が高いと加湿量が増えるため、いつも暖房を使ってお部屋を暖めている方にもぴったりです。
しかし、気化式は熱を使わないためカビや雑菌が繁殖しやすくなっています。こまめなフィルターのお手入れや水の交換が重要な点は意識しておきましょう。
スチーム式加湿器
スチーム式はタンク内の水を加熱し、蒸発させることで加湿させるタイプです。他の加湿方式よりも加湿効率が高く、熱を用いることで雑菌の繁殖を抑えることができるのが特徴です。
加湿器のスイッチを入れてから加湿が始まるまでには少し時間がかかってしまいますが、水が沸騰し始めてからは加湿量が一気に増えます。
気化式では加湿効果が感じられなかった方、お手入れは最小限に済ませたい方、清潔に加湿したい方におすすめの加湿方式です。ただし、熱を用いるため、加湿器を倒したり水蒸気に触れたりすると火傷の危険性がありますので、取り扱いには十分ご注意ください。
超音波式加湿器
超音波式はタンク内の水に超音波振動を与え、ミスト状になった水分を放出して加湿するタイプです。気化式と同様に熱を使わないので、小さなお子さまやペットのいる方でも比較的安心して使えます。また、消費電力も小さいので電気代を抑えたい方にもおすすめです。
ただし、加熱せずに加湿するため、タンク内の水に雑菌が繁殖しやすいのがデメリットです。こまめにお手入れしたり、清潔な水に交換したりすることが大切です。
ハイブリッド式加湿器
ハイブリッド式では「気化式×スチーム式」または「超音波式×スチーム式」という組み合わせが用いられます。
どちらも水を沸騰させて水蒸気を発生させるスチーム式が採用されているので、加湿効率が良く、タンク内の水に雑菌が繁殖しにくいのが特徴です。また、スチーム式単体で使うより電気代を抑えられるのもポイントです。
しかし、高性能な機能がついていることが多く、本体価格は高めに設定されています。少し高くても加湿効率を上げたい方や、さまざまな機能がついている高スペックな加湿器を探している方におすすめです。
加湿器の効果を上げる使い方
加湿器は使っていれば良いというわけではありません。正しい使い方、効果的な使い方を知らないと、加湿器の性能を十分に発揮できない可能性があるでしょう。
そこでここからは、加湿器の効果を最大限に活かす使い方を加湿器を置く場所ごとにご紹介します。加湿器をよく使うであろう寝室、リビング、オフィスの3パターンを紹介するので、加湿器の効果が感じられないとお悩みの方は参考にしてみてください。
寝室での使い方
寝室で加湿器を使うと、寝具が濡れたりカビが繁殖したりしやすくなるため、加湿器の使用がおすすめできないこともあります。しかし、眠っている間に喉や鼻が乾燥するのを防ぐために加湿器を使いたい場合は、寝具の近くにはできるだけ置かないこと、そして加湿量を低く抑えることを心がけましょう。
エアコンなどの暖房器具を使用しているのであれば、暖かい風が通る位置に加湿器を設置することで、寝室内に効率よく加湿された空気を循環させられます。
加湿器を使用していると床が濡れるという場合は加湿しすぎのサインです。窓に結露が発生したり、湿気により寝具にダニやカビが繁殖したりする可能性があるので、加湿量を自動調整してくれる加湿器か、加湿効果が低めの加湿器を選ぶようにしてください。
枕元に置いても大丈夫?
結論からいうと、加湿器の種類によっては枕元に置いても問題ありません。たとえばコンパクトなものや気化式加湿器なら枕元が濡れてしまうリスクが低いでしょう。
ただし、加湿器から出た水分が肌に触れ続けているとお肌が乾燥しやすくなるため、加湿器から出る水分が直接当たらない位置に設置してください。
また、眠っている間に加湿し続ける必要がない場合は、設定された時間になると電源が切れるタイマー機能付きの加湿器を選ぶのがおすすめです。
リビングでの使い方
リビングは人の出入りが多く、家の中でも広い空間なのが特徴です。そのため、加湿器によってはリビング全体を加湿できないこともあります。効率よく加湿するには、加湿器の設置場所に工夫が必要です。できるだけリビングの中心に加湿器を置き、空間を360°に加湿していくのが良いとされています。
出入り口や窓際、壁際をできるだけ避け、エアコンやヒーターの風が通るような空気が循環しやすい場所に置くと、効率良く加湿ができます。ただし、木製家具やパソコン、テレビなどの精密機器がある場合は、加湿器のミストが当たらないように気を付けましょう。
広いリビングダイニングに置く時は?
20畳以上の広いリビングダイニングで加湿器を使用する場合は、加湿器の性能に注目してください。どんなに効果的な位置に加湿器を置いても、広い空間を加湿するのは難しいところです。
おすすめは部屋全体を加湿しやすい、背の高いタイプの加湿器を選ぶことです。加湿器の噴出口が空間上部に向いているため、ミストを高い位置からより遠くへ広げてくれます。
また、広い部屋を加湿するなら、加湿器の周囲を重点的に加湿する気化式や超音波式より、加湿量が多いスチーム式やハイブリッド式が向いているでしょう。
ただし、どの加湿器を選んでも、出入り口付近や壁際、窓際に置いてしまうと効率的に加湿することはできません。加湿された空気が部屋の中で循環するのが効率性を上げるポイントなので、加湿器の基本的な配置場所である部屋の中心や風の通り道に置くことを心がけてください。
オフィスでの使い方
オフィスで加湿器を使用する場合、加湿する空間がどのくらいの範囲なのかによって配置場所が異なります。オフィス全体を加湿したいのであれば、自宅と同じように出入り口や壁際などを避け、できるだけ空間の中心付近に加湿器を設置してください。
加湿したいのが自分ひとりの空間だけなら、卓上タイプのコンパクトな加湿器を選び、デスクの上に置くと良いでしょう。
ただし、オフィスにはパソコンやモニター、重要な書類など、水分の付着を避けなければいけないものが少なくありません。デスク上に加湿器を置く場合は、加湿しすぎて水濡れしていないか確認しながら使ってください。
加湿器の効果を得られない時の原因
加湿器を使ってもあまり加湿効果が感じられない時は、置き場所が間違っていたり適用畳数が合っていなかったりする可能性があります。性能がよい加湿器の場合でも、この2点によって効率性が悪くなるため、正しい使い方ができているか一度確認してみてください。
ここからは、加湿器の置き場所と適用畳数について解説します。
置き場所を間違っている
加湿器の正しい置き場所は、部屋の中心や暖房器具などの風が通る位置です。ただ、これらの位置に家具や濡れたら困るものが置いてある場合は、無理に置くことはできません。
そのため、部屋の中に加湿器を置くスペースがない方や、水濡れを避けたいものが多い方は、壁際や窓際などに加湿器を置いてしまいがちです。
しかし、部屋の端に加湿器を置くと、加湿された空気が循環できず、加湿器周辺にとどまってしまいます。どうしても端にしか置けない場合は、加湿器に向けてサーキュレーターなどで送風するなどの工夫が大切です。
適用畳数が合っていない
加湿器には商品ごとに適用畳数(適用床面積)が設定されています。コンパクトな加湿器は6畳、大きい加湿器は8~10畳など、一般的にサイズによって加湿できる範囲が異なるため、空間の広さに合った加湿器を選ぶようにしましょう。
加湿量を自動調整できない加湿器の場合、適用畳数よりも狭い空間を加湿すると加湿しすぎになって床濡れやカビの発生が起きてしまいます。
逆に、適用畳数よりも広い空間を加湿すると十分に加湿されません。そのため、加湿器を使用する空間に合わせて加湿器を選ぶことが大切です。
おすすめの加湿器8選
ここまでは加湿器の効果やメリット・デメリットについてお伝えしてきました。ここからは種類別におすすめの加湿器を紹介していきます。
それぞれのお部屋に合ったアイテムを見つけることで、快適な暮らしを実現することができます。ぜひ参考にしてみてください。
スチーム式加湿器
タンクの水を沸騰させて蒸気を放出するスチーム式加湿器は、加湿能力が高く衛生的です。雑菌が繁殖しないのでお手入れも簡単に済ませることができます。湿度も気温も低い時期におすすめです。
スチーム式加湿器【商品番号:jxh004】
こちらの商品は、乾燥した冬におすすめです。内蔵されたヒーターでタンクの水を加熱するスチーム式ですので、加湿能力が高くスピーディーにお部屋を加湿します。
高温のミストが加熱除菌をするので、雑菌やぬめりを軽減し衛生的です。ほかの加湿器に比べてシンプルな構造になっていますので、お手入れも簡単に済ませることができます。
3L ヒーター除菌 スチーム式加湿器【商品番号:lck02】
こちらはスリムなデザインのスチーム式加湿器です。奥行きが約15.4cmなので、空いている隙間に設置することができ、使用しないときも省スペースに収納できる商品です。
上品で落ち着いたマットな質感になっているので、どんなインテリアにも馴染みます。タンクを本体の内部にセットする構造なので、水漏れする心配もありません。
超音波式加湿器
水を振動させてミストを放出する超音波式加湿器は、本体価格が比較的安くデザインも豊富な製品が多いです。ファンやヒーターが無い静音設計になっているので、寝室や作業部屋におすすめです。
1.5L 上部給水式 超音波加湿器【商品番号:kr02】
こちらは、耐久性に優れている加湿器をお求めの方におすすめな商品です。ステンレス超音波振動子を使用しているので、腐食や劣化に強く、カビやぬめりが付きにくい設計になっています。ステンレスなので掃除も簡単です。
また、自動湿度調整機能であるおまかせ運転モードが搭載されているので、常にお部屋を45~60%の湿度に保つことが可能です。
1.6L 超音波加湿器 上部給水式【商品番号:cz002】
デザイン性を重視したい方はこちらの商品がおすすめです。丸みを帯びたフォルムと落ち着いたカラーで、お部屋に馴染むデザインです。本体の底部にLEDライトがついているので、インテリアとして楽しむこともできます。
また、付属のスポンジにアロマを垂らせば、アロマの香りを拡散させることも可能ですので、リラックス効果も期待できます。
6.5L 上部給水式 超音波加湿器 ステンレス振動子モデル【商品番号:htjs011-j】
こちらは広範囲に加湿ができるアイテムです。タワー型のデザインになっているので、吹出口も高くお部屋をスピーディーで効率的に加湿することができます。
給水方法は、上から水を注ぐだけで完了するので、重いタンクを持ち運びすることなく給水ができます。スタイリッシュでおしゃれなデザインですので、インテリアにもマッチします。
ハイブリッド式加湿器
超音波式に加熱機能を加えたハイブリッド式加湿器は、広範囲の加湿に対応している製品が多いです。フィルターを使用しないので、フィルター交換などの細かいメンテナンスをする必要がございません。
6.5L ダブル除菌 ハイブリッド式 UVライト+ヒーター除菌機能付き【商品番号:jxh003j】
こちらは衛生面を重視したい方におすすめの商品です。除菌効果があるUVライトとヒーターの熱の力でタンク内の水を除菌し、クリーンなミストを放出します。
対応面積は最大17畳で、お子さまのいるリビングにもおすすめです。12パターンの加湿量切り替え機能が搭載されているので、それぞれのお部屋の状況に合わせて細かい加湿設定をすることができます。
4.5L UV除菌 ハイブリッド式 上部給水型 加湿器【商品番号:htjs-014】
UV除菌機能が付いたハイブリッド式加湿器です。除菌効果が高いUVライトをタンクの水に照射することで、細菌を除去し衛生的な加湿を行うことができます。
超音波式に加熱機能を組み合わせたハイブリッド式加湿器なので、お部屋をムラなく加湿できるところも魅力的です。フタを開けるだけで全体を隅々まで掃除できる構造になっているのでお手入れも簡単です。
3L 2WAY ハイブリッド加湿器 高さ調整可能【商品番号:htjs-004】
こちらは2WAYタイプの加湿器です。トップカバーの取り外しができる構造になっているので、加湿器の高さを調整することができます。
広範囲に加湿したいときはハイタイプ、場所を選ばず加湿したいときはロータイプなど、用途に合わせてご利用いただけます。横幅は約22cmですので、空いた隙間に設置できます。収納するときも場所を取らない優れものです。
まとめ
今回は、加湿器の効果や加湿方式のメリット・デメリット、正しい使い方などをご紹介しました。
空気の乾燥を防ぎ、さまざまな効果に期待できる加湿器ですが、置き場所や選び方を間違えると本来の効果が発揮されません。
加湿効果が低いと感じる場合は、置き場所や加湿方式、適用畳数など合っているか確認しましょう。加湿器選びの際は、今回おすすめした加湿器を参考に選んでみてくださいね。